障害者手帳所持者 (身体疾患)

あがり症、コミュ障、HSP、不眠症、身体疾患、不安障害

10数年前、初の「葬式」で私が見たもの

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コロナウイルスの葬式が話題になっている。10数年前、葬式の礼儀を全く知らない私が葬式に参加した。葬式の会場には、70歳と10歳の他人の写真があり、人の運命は残酷だと知った(葬式の当人ではない)。その葬式で私は前の人を真似すればいいと軽く考えていた。初めて葬式をすると葬式関係者に伝えれば良かった。他人の真似をすればいい。私は人を失ったことよりも葬式について考えを巡らせた。前日には、全く段取りを聞かされていない。全くの初心者である。「並んでください」の合図とともに、人々が並び始めた。そうだ。ここで私は前の人を真似するのだ。仕草を完全にコピーし、怪しまれないようにする。それができれ、ば。「これを持ってください」な、なに、私が先頭だと?私が先頭であることに恐怖した。あまりの恐怖に冷や汗が落ち、体は怯えている。人によっては、悲しくて怯えているように見えるのだ。次第に目の前が真っ暗になった。冷や汗は極限に達し、先頭の数名に選ばれたのに愕然となった。真似、先頭の真似をすればいいと思った私は、パニックに陥った。何をすればいいのかわからない。どんなことをすればいいかわからない。わからないことによるパニックは、私の心臓を動機させるのに十分だった。 私は次第に熱まで始める。いわゆる過呼吸に近いものが私を襲った。ここまでパニックに陥ったことは希だ。パニックを悟られないよう、平然としたふりをする。お願いだから、私が先頭の時は事前に言ってくれ。私は完全に動揺していた。目の前の人を真似するという時間はない。物理的に不可能だ。私が先頭である。皆、私の真似をするのだ。故人に対する礼儀は必要だ。だが、葬式関係者は事前に伝えていない。明日「誰が先頭になるか」など聞いていない。宝くじは当たらないのにこういうのだけ当たるのはおかしい。前の人を真似するという私の目論見は完全に費え、私が先頭という恐怖で満たされた。