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外のことがわからない

更新しました。

今週のお題「外のことがわからない」

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鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)

鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)

  • 作者:葉室麟
  • 発売日: 2019/03/15
  • メディア: Kindle版

私は、「鬼神の如く: 黒田叛臣伝」を読みながら外の方を見た。コロナ禍で、居酒屋の酔っ払いは皆無。J1に行ったこともあるチームのサッカーを見る客もいない。居るとしたらローソンを経由する学生さんだけだ。学生が外で部活動をしていることもなく、外では何が起きているかわからない。
笑い声は聞こえない。皆が皆辛いのだろう。外のことがわからないというのは確かにあるし辛い。

外で何が起きているかわからない。

わかるのは、《私がいない間に様々な人が通っている》という当前のこと。

「観測者が観測しなければ、物体はそこにない」というシリアスな事象について考えたものの、考えるのを止めた。
外では何かが常に起きているが、生来のインドア派ゆえに外が雨かもわからぬ。

わかるのは、雷が鳴っていることくらいか。とりあえず、私はジャーマンポテトを食べることにした。

ジャーマンポテトを食べながらも外が気になってくる。

外でニュースになる事件が起きていたとしたらブログに書くチャンスだが、何も起きていないことを願うばかりだ。

鬼神の如く: 黒田叛臣伝を読み、私はお菓子を食べる。

405ページ以上もある歴史小説だが、外では驚くべきこともないため、素早く楽しく読むことができた。歴史物でも江戸時代初期の騒動はあまり知らなかったため勉強になる。
隠れキリシタンの人も外が気になっていたのかもしれない。
外が気になるというのは、往々にしてある。しかしだ、外は未知の領域ではない。

私が歩けば視界が広がり、私が歩かなければ外には何もないかのように見える。

緊急事態宣言が解除され、外にも人が戻ってきた。これで、油断せずに続けられたらどれほどいいことだろう。

結果的にスポーツの開幕は予定通りだ。J2の試合ができる頃には人通りも増えるに違いない。

ついでに言えば、アベノマスクも給付金も間に合った。
外には様々な人がいるという。

400ページもある「鬼神の如く: 黒田叛臣伝」は、作者が死んでいるということを除けば、久々に私にとっての楽しみになった。

最近、作者が死んだ作品ばかり見つけるのは偶然ではあるまい。

急に外が気になってくる。隠れキリシタンは、この現象を我慢できたのだろうか。

自粛によって、外の空気がわからなくなってきた。

だからこそ、私は本を読んで外を気にしないようにするのだ。